エマの瞳
IL Colore Nascosto Delle Cose
INTRODUCTION
第74回ヴェネチア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門のCivitas Vitae Awardを受賞したイタリアの名称シルヴィオ・ソルディーニ監督(『ベニスに恋して』)の最新作。イタリアローマを舞台に、盲目で視覚が<みえない>ながらも自立して生きるエマと、内面を<みつめる>ことに臆病な広告マンでプレイボーイのテオが出逢い、傷つけ合いながらも変化してゆく大人の恋の行方を描く。
エマを演じたのは、ヴェネチア国際映画祭で2度主演女優賞に輝いたイタリアを代表する演技派女優のヴァレリア・ゴリノ(『人間の値打ち』『はじまりの街』)。またテオには、名優ジャンマルコ・ジャンニーニの息子、アドリアーノ・ジャンニーニ(『愛の果てへの旅』)。
豪華キャストとスタッフが集結した本作は盲目の人が考案したアイデアやシーンが取り入れられ、リアリティを追求してる。魅力的な主人公のエマは、ソルディーに監督が前作のドキュメンタリー映画『多様な目』(2013年)で出会った、盲目でありながらも毅然と生きる人々に触発されて作り上げたキャラクターになっている。
監督|シルヴィオ・ソルディーニ
撮影|マッテオ・コッコ
出演|ヴァレリア・ゴリノ アドリアーノ・ジャンニーニ
英題|EMMA 原題|Il COLORE NASCOSTO DELLE COSE
日本語字幕|林みわ
提供|マンシーズエンターテインメント
配給|マンシーズエンターテインメント
2017年|イタリア・スイス映画|カラー|115分
©️2017 Lumière&co. Rai Cinema Ventura Film.
2018イタリア映画祭出品作品
2019年 3月 新宿武蔵野館ほか公開
2020年10月 DVD発売
STORY
イタリア・ローマ、売れっ子の広告デザイナー、テオは典型的なプレイボーイで、恋人、愛人、家族とは適度な距離を置き仕事付の毎日を送っている。暗闇の中を白杖で進む、DID(ダイアログ・イン・ザ・ダーク)のワークショップに参加したテオは、アテンド・スタッフの盲目の女性・エマに魅せられる。思春期に視力を失ったエマは夫と離婚したのち、オステオパシー(理学療法士)の施術者として自立し生きる女性であった。テオは急速にエマに惹かれ関係を深めてゆく。一方テオは恋人のグレたと向き合えないままでいた。ある日、テオとエマがスーパーマーケットで一緒のところにグレたが鉢合わせるが、テオの心ない言い訳に深く傷いたエマはテオとの連絡を絶ってしまうのだが。
DIRECTOR PROFILE
シルヴィオ・ソルディーニ Silvio Soldini
1958年イタリア・ミラノ生まれ。1990年に初の長編映画『L’ARIA DELL’OVEST』がロカルノ国際映画祭ほか多くの国際映画祭に招待される。1997年ヴァレリア・ゴリノと初めてタッグを組んだ『アクロバットの女たち』もロカルノ国際映画祭やサンフランシスコ国際映画祭で高く評価される。2000年、ロマンチック・コメディ『ベニスで恋して』がカンヌ国際映画祭をはじめ多くの映画祭で上映され評判となり、世界中で配給され、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞9部門、ナストロ・ダルジェント賞、チャック・ドーロ賞、フライアーの賞、そしてヨーロッパアカデミー賞では3部門にノミネートされている。2013年、視覚障碍者10人の生活を追ったドキュメンタリー作品『多様な目』での経験が『エマの瞳』を撮るきっかけとなって入る。
Filmography
"L’ARIA DELL’OVEST" (1990) "UN'ANIMA DIVISA IN DUE"(1993)
『アクロバットの女たち』(1997)『ベニスで恋して』(2000)
「風の痛み」(2002)「アガタと嵐」(2004)
『日々と雲行き』(2007)「30日の不倫」(2010)
「司令官とコウノトリ」(2012)「多様な目」(2013)
『』劇場公開作、「」映画祭上映、"" 未公開
ダイアログ・イン・ザ・ダーク=DIDとは?
エマがアテンド・スタッフとして手伝っている“ダイアログ・イン・ザ・ダーク”は、1988年ドイツの哲学博士アンドレアス・ハイネッケの発案によって生まれた暗闇の空間で、日常生活のさまざまな事柄を聴覚や触覚などで体験するワークショップ。様々な感覚の可能性と心地よさ、コミュニケーションの大切さを再認識できるとして、これまで世界41カ国以上で開催。800万人を超える人が体験。日本でも1999年の初開催以降20万人以上が体験している。
PERFOMER PROFILE
Emma
ヴァレリア・ゴリノ Valeria Gorino
1966年10月22日イタリア・ナポリ生まれ。父はイタリア人、母はギリシャ人、祖母はエジプト系フランス人で、小さい頃から四つの言葉が喋れたという。ナポリで育ち、アテネでモデルとしてキャリアをスタートし1983年女優デビュー。1986年「Storia d’amore(愛の物語)」ヴェネチア国際映画祭主演女優賞を受賞。その後アメリカに活動の場を移し1988年『レインマン』でトムクルーズの恋人を演じて国際的に注目を集める。200年にイタリアに帰国し、2015年『あなたたちのために』で2度目のヴェネチア国際映画祭主演女優賞を受賞。2016年にはカンヌ国際映画祭の審査員に選出、女優として活躍する一方で映画監督として2013年『ミエーレ』を発表。2作目の「Euphoria」が2018年カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品。多彩な才能を備えたイタリアを代表する女優のひとり。代表作に『ホット・ショット』(1991),『リービング・ラスベガス』(1996)『あるいは裏切りという名の犬』(2004)『人間の値打ち』(2013)『はじまりの街』(2016)など。
Teo
アドリアーノ・ジャンニーニ Adriano Giannini
1971年5月10日、イタリア・ローマ生まれ。父はカンヌ国際映画祭男優賞に輝いた経歴を持つ俳優、ジャンカルロ・ジャンニーニ。母はテレビ映画の監督、リヴィア・ジャンパルモ。18歳の時に母親が監督のテレビ映画「Evelina e i suoi figli(エヴァリーナと彼女の子供たち)」の助手として映画の世界へ。その後ジュゼッペ・トルナトーレ監督、エルマンノ・オルミ監督、アンソニー・ミンゲラ監督らの現場で、アシスタントカメラマンとして活動。父の才能を存分に引き継いでいた彼は、演劇学校とお多数のワークショップに参加した後、2001年に俳優として映画デビュー。2002年父の主演映画リナ・ウェルトミューラー監督の『流されて…』のリメイク版『スウェプト・アウェイ』で、マドンナと共演。本作では、盲目の女性に恋する広告デザイナー役で、ヴァレリア・ゴリノと『あなたたちのために』(2015)以来となる2度目の共演を果たす。俳優以外に声優としても活躍し、監督としてショートフィルムも発表している。他の出演作に『愛の果てへの旅』(2004),『オーシャンズ12』(2004),『もう一度キスを』(2010),『皆はこう呼んだ、鉄剛ジーク』(声の出演)(2015)